昼間はあんなに固く誓ったのに、なぜ夜になると毎回崩れてしまうのでしょうか。
もしかしたらこれは意志の問題ではなく、
すでに使い切ってしまった電池の問題なのかもしれません。
朝は誓っても、夜になるとまた崩れてしまいます。
朝は「今日から本当にダイエットを始めよう」と誓います。
でも仕事を終えてソファに座った瞬間、
昨日と同じようにデリバリーアプリを開いています。
「なんでこんなに意志が弱いんだろう」
という自己嫌悪が後を追いかけてきます。
会議では怒りをこらえ、
上司の無理な要求にも笑顔でやり過ごし、
一日中さまざまな選択を
慎重に重ねてきました。
その一日の終わりに、
よりによって自分自身との約束だけが、
いちばん簡単に崩れてしまうのです。
心理学者ロイ・バウマイスターは1998年に実験を行いました。
実験参加者を二つのグループに分けました。
一方には焼きたてのクッキーを。
もう一方にはクッキーを目の前にしながらも我慢させ、
代わりに大根を食べさせました。
その後、両方のグループに
解けないパズルを与えました。
大根を食べて誘惑をこらえたグループのほうが、
クッキーを食べたグループよりずっと早く諦めました。
この実験が示しているのは、単なる忍耐力の問題ではありません。
誘惑を我慢する行動そのものが、
その後の自己コントロール力を消耗させていたのです。
この現象を
「自我消耗」と呼びます。
意志力は筋肉に似た性質を持っています。
使えば疲れます。
朝に服を選び、昼に何を食べるか決め、
会議で感情を抑える。
そうした選択のすべてが、
同じ資源を消費しています。
だから一日の終わりに残っている意志力は、
始まったときよりずっと少なくなっています。
ただし、この効果の大きさについては議論があります。
この効果の大きさについては
後続の研究でも議論があります。
それでも、決断を重ねるほど
自己コントロール力が揺らぎやすいという傾向そのものは、
数多くの研究で繰り返し確認されています。
こう活用してみてください。
① 重要な決断は朝のうちに
難しいメールを送る、
気まずい会話を切り出す。
そういった重要な決断は朝のうちに済ませましょう。
「これは後でまた話しましょう」
会議中にこう一言先延ばしにするほうが、
夜の消耗した意志力で
無理な決断を下すよりずっとましです。
② 家族との会話も時間をずらす
子どもや配偶者との
大切な会話も同じです。
仕事で疲れた状態で小言を言うと、
感情だけを傷つけがちです。
「この話は週末の朝、余裕があるときにしよう」
と時間をずらすだけで、
同じ言葉でもずっと柔らかく
伝わることが多いものです。
③ 夜は環境そのものをなくす
夜は意志力が必要になる
環境そのものをなくしましょう。
夜食を我慢しようと頑張るのではなく、
そもそもデリバリーアプリを開く理由を減らしておくのです。
ただし、すべての決断を
朝に回せるわけではありません。
急を要する状況では、
短くても先に休憩を確保することが最善策です。
今日のインサイト
意志が弱いのではなく、すでに使い切ってしまった一日だっただけです。
まとめ
今日あなたが崩れてしまったその瞬間は、
本当に意志の問題だったのでしょうか。
もしかしたら、
一日中たくさんのことを
我慢してきた代償だったのかもしれません。